俳句の集い!望生の俳句

俳句と画像だけのシンプルなブログです。毎日投稿しています。

 ~~~ご挨拶~~~

 このブログは、殆どの場合、画像と俳句だけを掲載しているシンプルなブログです。アップしている花は、十年以上も前から撮り続けてきた花木です。できる限り花の名前を命名しようと思っていますが、よく似た花があったりするので命名していない花木も沢山あります。【この花の名前教えて下さい。】となっている花です。ご存知の方がありましたらよろしくお願いします。

 ~~~自己紹介~~~

 ある俳句結社の同人(約15年間)を経て現在無所属です。「現代俳句協会」及び「滑稽俳句協会」の会員です。川柳も楽しんでいます。柳号は「虚心(きょしん)」です。

 ~~~お知らせ~~~

 「遊子ネット句会」を運営しています。参加ご希望の方は「俳号」と連絡先(メールなど)をお知らせください。URLと仮パスワードをお送りします。このブログページの右覧のリンクにある「ブログ管理者へのメッセージ」をご利用下さい。

あまずみさんの詩集

イメージ 1

アセビ(馬酔木) 別名 アセボ、アシビ
  
 2015年2月に、コメント欄に投稿されたあまずみさんの第六作です。これら、「あまずみさんの詩」にご意見・ご感想などあれば、コメントよろしくです。
   
第六作 タイトル:大地… 
 
 異国の果てより記憶の彼方から
 
 燃え残った魂の揺らめきが
 
 やってくる
 
 玄妙に非現実的な闇の中で
 
 まるで人生そのもののように囁く
 
 雨は大地を叩き流されてゆく
 
 降る雪は
 
 失われた時間を埋めるように
 
 月は幻想的に星は神秘的に
 
 故郷の山や川や
 
 大自然のいとなみは
 
 まるで何こともなかったような
 
 静けさだけ…
 
 自分を取り戻そうとする
 
 全ての人のために
 
 川の流れは緩やかに
 
 その果てと空との間は
 
 天上の音楽のように限りなく淡い
 
 ああ、この心せめて流れに任せて
 
 この身体この世にあることを
 
 迷うことなく
 
 限りある命を尽くそう…
 
 道ゆく人は

 微笑みを交わしまたゆく
 
 来る人は知らず
 
 去りゆく人のみぞ知る
 
 花はかんばせ詩は風に任すのみ
 
 帰りゆく君追うわが心…
 
 桃の花びらが色づいてきて
 
 まるで私の心のように赤い、、

イメージ 1

蒲の穂
  
 2014年九月に、コメント欄に投稿されたあまずみさんの第五作です。これら、「あまずみさんの詩」にご意見・ご感想などあれば、コメントよろしくです。
   
第五作 タイトル:月… 
 
 ああ君よ聞きたまえ悠久の音を

 月に向かって吹く笛の音を…

 あなたからの便りもなく

 ひとり故郷をはなれて

 旅人となっている

 月の光はしらじらと私を照らし

 沈んだ気持のまま月日は流れる

 楓の葉は赤く色づいてきて私を笑う

 天風は私を憐れまず

 吹き散らかしてゆく…

 風のままに転がる

 小さな虫にも似たわが身

 渚には飛ぶ鳥もなく人影も見えない

 帰りたいと思う気持だけは

 澗水の流れのように尽きず

 望郷の夢を見てさすらう…

 風はなぎ波は平らぎ望みは果てしない

 いましも海の方から明け初めてきて

 陽は昇ろうとしている

 この眺めに見とれながら私は呟く

 淡い白色、深い赤色と

 落ち行く花びらは

 一輪一輪すべてがいい

 あぁ、この心天上の月へと届け
 
 あなたを思う心は何と深いことだろうか、、、、
 
 
【注:漢字の読み方と意味 
  
 悠久⇒ゆうきゅう⇒果てしなく長くつづくこと、永久
 天風⇒てんぷう⇒空高く吹く風、あまつかぜ
 憐れ⇒あわれ⇒かわいそうと思う同情の意味を込めた哀れ
 澗水⇒かんすい⇒谷の水

イメージ 1

ヒルガオ
  
 2014年8月に、コメント欄に投稿されたあまずみさんの第四作です。これら、「あまずみさんの詩」にご意見・ご感想などあれば、コメントよろしくです。
   
第四作 タイトル:今際の月… 
 
 たった一度の月夜じゃないか

 せめて今宵は方人らしく

 少し笑ってさよならしよう

 思い出コロコロこぼれて落ちて

 賽の河原を流れてゆくよ…

 そうさほんとは好きだったのさ

 せめて一言伝えていたら

 時がゆっくり回っていたら…

 天に向かって叫んでいたよ

 ひとりぼっちじゃ

 ないってことを

 明鏡止水 今際の月に……。
  

【漢字の読み方
  
 今際(いまわ)           方人(かたうど)
 賽の河原(さいのかわら)    明鏡止水(めいきょうしすい)

イメージ 1

この花の名前教えて下さい。
  
 2014年8月に、コメント欄に投稿されたあまずみさんの第三作です。これら、「あまずみさんの詩」にご意見・ご感想などあれば、コメントよろしくです。
  
第三作 タイトル:落し水 
 
 着くずれて生き存えて誰かゆく

 うすくれなゐのくちびるに

 仇と情けのいろもよう…

 きょうも今日とて誰かゆく

 さだめなき夜のくちびるに

 触れてはならぬ恋ごころ

 この胸をどこに置かんやはぐれ鳥

 ただ願わくば今日の日を

 ほのかなれどもゆかしきと

 こころ残して旅ゆかん…

 あの空をどこに置かんやゆり鴎

 ひとりあそびのこの世なら

 あしたは明日の風が吹く

 黄泉路の恋ならそれもよし…

 不実ふた夜の恋ごころ

 なさぬ恋ならそれもまた

 帰らざる道ふりかえる

 かくれあそびのこの世なら

 恋の火色もみなちがう

 ちがう恋ならそれもよし

 ゆくえも知れぬ落し水

イメージ 1

ブーゲンビレア
 
 2014年8月に、コメント欄に投稿されたあまずみさんの詩です。これら、「あまずみさんの詩」にご意見・ご感想などあれば、コメントよろしくです。
 
第二作 タイトル:淅瀝(せきれき)関連俳句:溢れ蚊の遠くて近き涅槃かな 
  
 止まない雪、ポケットのキャンディーは

 もう無い。

 時はどれくらい過ぎたのだろうか

 町は白一色に変わろうとしている。

 通りの向こうにポストが見える

 行き過ぎるはずのこの町、

 来る日も来る日も夕陽を見ていた。

 水平線に落ちる夕陽の中に、

 後もどり出来ない影法師がいた

 やがて夏が過ぎ、風に群れ遊ぶ薄の中を

 ひとり歩いた…。

 晩秋の月は赫く、遙か彼方には

 淅瀝とした荒野があった。

 もうそこまで冬の雲が来ている…

 いそがなくては…

 惜別の日々は疾く、

 一通の手紙を手に雪を見ていた。

 重い足どりはポストに向かい、

 遠ざかる街の灯を後に

 また一人歩き始めた……。
 
【第一作 タイトル:忘れ路の角 関連俳句:長き夜や君わすれ路の角に立つ
 
 もう太陽は色あせた山に沈み

 つれない風が街角を掠めました…

 鈍色の公園の小径やベンチの上を

 木の葉が躍っていた刻

 私はあなたの為に

 夜想曲を捧げました…

 あなたは私を見私はあなたを…

 やがて風と落葉をついて

 あなたは歩き始めました…

 あなたは黙っていました

 立ちこめた夜は鎖のように

 蒼黒の腕をからませました…

 さまざまの形の戯れに囲まれて

 私の中にあるけれど

 私のものではない

 私達を惑わすことはあるけれど

 欺くことのない

 不思議な空間をたずねながら…

 もうあたりは真っ暗で誰ひとりとして

 一言も口をききませんでした…

↑このページのトップヘ